今回読んだ本は
『ルームメイト』
著者・今邑 彩

後書き読んで初めて知ったのですけど、文庫になったのが今から約4年前。
新書として出版されたのが、それからさかのぼること9年も前だとか。
これもミステリー小説ではあるが、前々回読んだ
『6月6日生まれの天使』のような、決して身近とは言えない『病』(適切な表現ではないかもしれないが、よい言い回しがないのでここではあえて『病』とさせていただく)を描き、その特有な『病』を巧妙且つ大胆に表現させることにより、小説ならではの、小説でしか表現できないトリックを使った文章で、読者を楽しませてくれる。
前にも書いたことがあるが、表題って、読み終えてから改めて見直すと、
「なるほどね~。だから『ルームメイト』なんだね~」
ひとつの単語から、文章全体を走馬燈のように一気にまた頭の中を巡ってくる。
それほどまでに表題とは、文章全体を表現する上で『核』キーワードが多い。
この『核』を多い包むようになる出来事。
これらを一枚一枚丁寧にはがし取り、この文章を構成しているであろう『核』を随まで説き暴いたときの快感は格別なものだ。
さて、この『ルームメイト』には意外な結末が。。。。
w( ̄△ ̄;)w
そ、そう来ましたか今邑さん。。やられたよ。。
でも、それで終わったらいったいその後どうなるのよ!!
ってな具合の、尾を引くラスト。
工藤の持つ、あの無駄(?)な知識は、本文中でいったいどんな効果をもたらせたのかはイマイチ不明だが、そのために、おいしい駅弁や、路線に詳しくなったという理由であれば、それはそれでま~ありなのかなと(^_^;)
是非とも読み切った後、表題『ルームメイト』の意味を今一度見ていただきたい。
単純そうで単純でない、奇怪なミステリーとしてお薦めの一冊です。