残暑厳しい毎日ですが、今回読んだ本はこちら。
角田光代著:『八日目の蝉』

別に、夏の間に読まなくちゃ!と思ったわけではありませんでしたが、ずいぶんと本棚でホコリにかぶっていたもんですから。。。
毎回、テレビ放送されているのを予告で見て、あっ!読まなくちゃと、アタフタするわけです。。
この本を読んでいの一番に感じたのは、子供と親との絆。
例えそれが誤った関係でも、例えそれば犯罪だとしても、共に共有した時間の重さは、個を形成していく中でいかに大きな要因を持ち、幼少期となれば尚更その影響力は大きく、強く、そして時に悲しく。
それはお互いの立場にとって言えることであり。
『八日目の蝉』という題名。
蝉の一生は土からはい出てきて七日というそうですが、その他の蝉と一日違うということは、この蝉にとってどういう意味があるのか、そして、それを自分に例えると、他人と自分はどう違うのか。
主人公の成長と共に変化する感情、モノの見方考え方。
そうした主人公の考え方や感情の変化の移り変わりが引き込まれるように描かれた作品です。
最後の最後に、どんでんがえしがあると期待しましたが、そこまで期待してしまっただけにちょっとラストは物足りなかったかな。
読者のご想像に!と言われればそれまでですがね。
でも、おもしろかった。